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オリンピック選手の「提供品」事情とは?空港でよく見るスポンサー商品の裏側を解説

雑学

オリンピックの度に、空港で帰国選手がスポンサー商品を手にしている映像を目にすることがあります。「あれはどういう仕組みなのか」「演出として用意されているのか」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、スポーツ選手とスポンサーの関係や、帰国時の商品露出について解説します。

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スポンサー契約とは何か

スポーツ選手とスポンサー企業が結ぶ契約は、選手が企業の商品やサービスを宣伝する代わりに、金銭的支援や物資提供を受ける仕組みです。選手にとっては競技活動を継続するための重要な収入源となり、企業にとっては自社のブランドイメージ向上や認知度拡大の機会となります。

スポンサー契約とは、「スポーツ団体や選手等が、広告掲出や名称使用といった権益を提供することを約束し、これに対してスポンサーがその対価(金銭または物品)を提供することを約束する契約」と定義されています(参照:弁護士法人アズバーズ「スポーツ選手と企業のスポンサー契約を成功させるには?」https://asbirds.jp/media/sports-law/)。

契約内容は多岐にわたり、ユニフォームへのロゴ掲載、広告出演、SNSでの商品紹介、イベント参加など様々な形態があります。特に著名な選手の場合、賞金よりもスポンサー収入の方が大きな割合を占めるケースも少なくありません。

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選手に課される宣伝活動の義務

スポンサー契約を結んだ選手には、契約内容に応じた宣伝活動の義務が生じます。

契約商品の使用義務があり、スポーツ用品メーカーとの契約では、競技中に指定されたブランドの用具を使用することが求められます。また、広告やプロモーション活動への協力も契約に含まれ、CM撮影や記者会見、イベント出演などが義務付けられる場合があります(参照:Japan Sport Law Support and Research Center「選手とスポンサー契約」http://jsl-src.org/?p=1070)。

スポンサー契約には「ロゴ等の使用権」「広告掲出」に関する条項が含まれ、ユニフォームやウェブサイトなどにスポンサー企業のロゴが露出されることが定められています。ただし、スポンサー契約書で定められるのは「どこにロゴを掲載するか」「どのサイズで表示するか」といった基本的な条件であり、空港での商品の持ち方や角度まで細かく指定されるという証拠は確認できませんでした(参照:ルースター法律事務所「『スポンサー契約書』『協賛契約書』のポイントとひな型を解説」https://yk-lawoffice.com/sponsor/)。

企業イメージを損なわない行動を取ることも重要な義務の一つです。契約違反があった場合、違約金や契約解除といったペナルティが科される可能性があるため、選手側も慎重に対応しています。

空港での商品露出の実態

帰国時の空港で選手がスポンサー商品を持っている光景について、いくつかの可能性が考えられます。

最も一般的なのは、大会期間中に実際に使用していた物を持ち帰るケースです。寝具や日用品など、選手が現地で使用していたスポンサー提供品をそのまま手荷物として持ち帰ることは自然な流れです。

空港は多くの報道陣が集まる場所であり、選手の帰国シーンは高い注目を集めます。そのため、このタイミングでスポンサー商品のロゴが映り込むことは、企業にとって大きな宣伝効果をもたらします。ただし、これが必ずしも意図的な演出として準備されているという公式な根拠は確認できませんでした。結果的に宣伝効果が生じている場合が多いと考えられます。

2026年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックやパリオリンピックの帰国報道を見ても、選手たちは通常の荷物を持って帰国している様子が報じられており(参照:日本経済新聞「パリオリンピックの日本選手団が帰国、成田空港に拍手と歓声」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE138CC0T10C24A8000000/)、特別に演出された商品露出という報道は見当たりませんでした。

「帰国時に新たな商品が配られる」という一般的な慣行についても、公式な情報源では確認できませんでした。実際に使用していた提供品を持ち帰るケースが多いと考えられますが、大会ごとの扱いや個別の契約により異なる可能性があります。

オリンピック特有のスポンサー事情

オリンピックでは、国際オリンピック委員会(IOC)と契約するワールドワイドオリンピックパートナーや、各国オリンピック委員会のスポンサー、大会組織委員会のスポンサーなど、複数レベルのスポンサーシップが存在します(参照:東京2020大会組織委員会「スポンサーシップについて」https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/special/watching/tokyo2020/organising-committee/marketing/ori_sponsorship/)。

日本選手団の場合、日本オリンピック委員会(JOC)と契約している企業が、選手の移動や宿泊、用具提供などを支援することがあります。例えば、ANAとJALは東京2020オリンピックのオフィシャルエアラインパートナーとして、日本選手団や大会関係者の輸送を担当していました(参照:Aviation Wire「ANAとJAL、2020年東京五輪公式パートナーに」https://www.aviationwire.jp/archives/63063)。

こうした支援の一環として提供される物品が、帰国時に選手の手元にあることは十分に考えられます。また、選手個人とスポンサー契約を結んでいる企業と、チーム全体を支援する企業が異なる場合もあります。

スポンサーにとっての価値

空港での帰国シーンは、企業にとって価値の高い露出機会です。テレビのニュースやインターネットメディアで繰り返し放送され、多くの視聴者の目に触れることになります。

メダルを獲得した選手や注目度の高い選手の帰国シーンは特に注目を集めるため、そこでスポンサー商品が映り込むことは、通常の広告費用をかけるよりも高い費用対効果が期待できる場合があります。企業がスポンサー契約を通じて「認知度・想起回数のアップ」を狙う際、スポーツ選手の活躍に伴う露出は大きな価値を持ちます(参照:アスカツ「専門家から見たアスリートとのスポンサー契約のメリットと注意事項」https://athkatsu.com/merit/1071/)。

このような理由から、企業側が帰国時の露出を意識して商品を提供することは、マーケティング戦略として理にかなっています。

まとめ

オリンピック選手が帰国時にスポンサー商品を持っている背景には、スポンサー契約に基づく宣伝活動の側面があります。ただし、空港での露出が特別な演出として必ず準備されているという証拠はなく、多くの場合は実際に使用していた提供品を自然に持ち帰ることで、結果的に宣伝効果をもたらしていると考えられます

スポンサー契約では「ロゴ表示やブランディング行動に関するガイドライン」が定められることが一般的ですが、帰国空港での具体的な持ち方・角度まで義務化されることは一般的ではありません。また、帰国時に新たな提供品が渡されるかどうかは、個別の契約内容や大会ごとの取り決めによって異なります。

いずれにしても、選手とスポンサー企業の関係は単なる資金提供にとどまらず、互いにメリットを享受する形で成り立っています。空港での一場面も、そうした関係性の表れの一つと言えるでしょう。