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「一挙両得」と「一石二鳥」の違いは?由来から使い方まで完全ガイド

メモ

「一挙両得」は「ひとつの行動で二つの利益を得ること」を意味する四字熟語です。似た表現に「一石二鳥」がありますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

本記事では、「一挙両得」の正確な意味や由来、「一石二鳥」との違い、適切な使い方や類語、英語表現まで徹底解説します。ビジネスシーンでの活用例も紹介しますので、言葉の理解を深めたい方や正しく使いたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

「一挙両得」の意味とは

「一挙両得」(いっきょりょうとく)は、一度の行動で二つの利益や効果を同時に得ることを意味する四字熟語です。

この言葉は「一挙」(一度の行動・一回の動き)と「両得」(二つの利益を得る)という二つの部分から構成されています。つまり、一回の行動や努力で、二つの異なる良い結果や効果を同時に手に入れられる状況を表現しています。

例えば、「朝の散歩は運動になるだけでなく、気分もリフレッシュできるので一挙両得だ」というように使います。ここでは「散歩をする」という一つの行動で、「運動効果」と「気分転換」という二つの利益を得ていることを表しています。

「一挙両得」は、効率的に複数の利益を得られる状況を表す際に使われることが多く、ビジネスシーンでも「コスト削減と品質向上を同時に実現できる方法は一挙両得だ」などと頻繁に用いられます。

この四字熟語は、物事を効率的に進めることの価値を簡潔に表現しており、一度の行動で複数の良い結果を得られる喜びや満足感をも含んでいます。

 

「一挙両得」と「一石二鳥」の違い

「一挙両得」と「一石二鳥」は非常に似た意味を持ちますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

「一石二鳥」(いっせきにちょう)は「一つの石で二羽の鳥を打ち落とす」という意味で、一つの手段や行動で二つの目的を達成することを表します。一方、「一挙両得」は「一度の行動で二つの利益を得る」という意味で、得られる結果や利益に焦点が当てられています。

つまり、「一石二鳥」は行動と目的の関係を強調し、「一挙両得」は行動と結果(利益)の関係を強調している点が異なります。

また、使われる文脈にも若干の違いがあります。「一石二鳥」は主に問題解決の場面で使われることが多いのに対し、「一挙両得」は利益や効果を得る場面で使われる傾向があります。

例えば:

  • 「この解決策なら二つの問題が同時に解決できて一石二鳥だ」
  • 「この投資は安全性が高く利回りも良いので一挙両得だ」

さらに「一石二鳥」は西洋由来の表現が日本語に翻訳されたものであるのに対し、「一挙両得」は中国古典に由来する言葉という出自の違いもあります。

どちらも日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる表現ですが、このような微妙な違いを理解して使い分けると、より正確に自分の意図を伝えることができるでしょう。

 

由来・故事成語

「一挙両得」の由来は、中国の古典「荀子」(じゅんし)にまでさかのぼります。荀子は中国の戦国時代末期から秦の時代初期にかけての儒学者・荀況(じゅんきょう)の著作または彼の名を冠した書物です。

「一挙両得」が初めて登場したのは「荀子」の「大略篇」(だいりゃくへん)とされており、原文では「一挙而両得之」(いっきょじりょうとくし)と記されています。この表現は「一度の行動で二つの利益を同時に得る」という意味で使われました。

荀子はこの言葉を、効率的な統治や道徳的行動について論じる中で用いており、一つの賢明な行動によって複数の良い結果が得られることの価値を説いています。

この表現が故事成語として広く知られるようになったのは、儒教の教えが日本に伝わり、四字熟語として定着していく過程においてでした。日本では江戸時代に儒学が広まると共に、「一挙両得」も教養ある人々の間で使われるようになりました。

なお、「一挙両得」と似た表現に「一挙両全」(いっきょりょうぜん)がありますが、これは「一度の行動で二つの事柄が完全に達成される」という意味で、「一挙両得」とほぼ同じ意味で使われることがあります。

このように「一挙両得」は約2000年以上前の中国古典に由来する言葉でありながら、その実用的な知恵は現代社会でも十分に通用する普遍的な価値を持っています。

 

使い方と例文

「一挙両得」は日常会話からビジネス文書まで、幅広い場面で活用できる便利な四字熟語です。ここでは、正しい使い方と具体的な例文を紹介します。

基本的な使い方

「一挙両得」は通常、文末や文節の終わりに置かれることが多く、「〜は一挙両得だ」「〜で一挙両得になる」といった形で使われます。また、「一挙両得の方法」「一挙両得のチャンス」のように名詞を修飾する形でも使われます。

日常会話での例文

  • 「夕食の準備をしながら明日の弁当のおかずも作っておけば一挙両得ですね」
  • 「電子書籍は場所を取らず、すぐに入手できるので一挙両得だと思います」
  • 「祖父母の家に行けば、親孝行になるし子供も喜ぶので一挙両得です」
  • 「定期預金と投資信託を組み合わせれば、安全性と収益性の一挙両得が期待できます」
  • 「古着を寄付すれば、クローゼットが片付くし社会貢献にもなって一挙両得ですよ」

ビジネスでの例文

  • 「このシステム導入により、業務効率化とコスト削減の一挙両得が実現できます」
  • 「在宅勤務は通勤時間の削減と業務集中度の向上という一挙両得のメリットがあります」
  • 「新製品は環境に優しく、従来品より耐久性も高いという一挙両得の特徴を持っています」
  • 「この広告戦略は、ブランドイメージの向上と新規顧客獲得の一挙両得を狙ったものです」
  • 「社内研修と親睦会を同時に行うことで、スキル向上とチームビルディングの一挙両得を図ります」

「一挙両得」は基本的にポジティブな文脈で使われることが多く、二つの良い結果や利益が同時に得られる状況を強調したい場合に特に効果的です。使う際は、具体的にどのような二つの利益が得られるのかを明確にすると、より説得力のある表現になります。

 

類語・同義語

「一挙両得」と似た意味を持つ四字熟語や表現はいくつかあります。ここでは、代表的な類語とそのニュアンスの違いを解説します。

一石二鳥

前述の通り、「一石二鳥」(いっせきにちょう)は「一挙両得」と最も近い意味を持つ表現です。「一つの石で二羽の鳥を打ち落とす」という意味で、一つの手段で二つの目的を達成することを表します。「一挙両得」が得られる利益に焦点を当てるのに対し、「一石二鳥」は手段と目的の効率性を強調する点が特徴です。

例文:「この施策は環境保護と経済活性化という一石二鳥の効果が期待できる」

一挙両全

「一挙両全」(いっきょりょうぜん)は「一度の行動で二つのことが完全に達成される」という意味で、「一挙両得」とほぼ同義です。ただし、「両全」という言葉に完全に成し遂げるというニュアンスが含まれており、より結果の完全性や完璧さを強調する傾向があります。

例文:「この解決策なら両者の要望を満たす一挙両全の対応が可能だ」

一矢双的

「一矢双的」(いっしそうてき)は「一本の矢で二つの的を射る」という意味で、こちらも「一挙両得」と非常に近い意味を持ちます。一度の行動で二つの目的を達成することを表しますが、「矢」と「的」という言葉を使うことで、狙いを定めて成功させるというニュアンスが強くなります。

例文:「新規事業は若手の育成と新市場の開拓という一矢双的の戦略だ」

その他の類似表現

  • 一網打尽(いちもうだじん):一度の網打ちですべてを捕らえること。一度の行動ですべてを解決・達成する様子を表します。
  • 一挙四得(いっきょよんとく):「一挙両得」を拡張した表現で、一度の行動で四つの利益を得ることを意味します。
  • 一挙多得(いっきょただとく):一度の行動で多くの利益を得ることを表す表現です。
  • 一箭双雕(いっせんそうちょう):「一本の矢で二羽の鷹を射る」という意味で、中国語で「一石二鳥」に相当する表現です。

これらの類似表現は、状況や強調したいニュアンスによって使い分けることで、より豊かな表現が可能になります。「一挙両得」が最も一般的に使われていますが、他の表現も文脈に応じて効果的に活用できるでしょう。

 

「一挙両得」の英語表現

「一挙両得」に相当する英語表現としては、いくつかの慣用句があります。状況や文脈に応じて適切な表現を選ぶことで、国際的なコミュニケーションでも「一挙両得」の概念を正確に伝えることができます。

主な英語表現

  1. Kill two birds with one stone(一つの石で二羽の鳥を殺す) 最も一般的な表現で、日本語の「一石二鳥」に直接対応します。英語圏では非常によく使われる慣用句です。 例文:“By taking this online course, I can improve both my English and my professional skills – killing two birds with one stone.” (このオンラインコースを受講することで、英語力と専門スキルの両方を向上させることができる – 一挙両得だ)
  2. Hit two targets with one shot(一発で二つの標的を撃つ) 「Kill two birds」よりも穏やかな表現で、ビジネスシーンなどでも使いやすい言い回しです。 例文:“This marketing strategy hits two targets with one shot: it appeals to younger customers while also reinforcing our brand image.” (この販売戦略は若い顧客への訴求とブランドイメージの強化という一挙両得を実現する)
  3. Two-for-one deal(一つで二つ分の取引) 商業的な文脈でよく使われ、一つの代価で二つの価値を得ることを表します。 例文:“This software upgrade is a real two-for-one deal – you get improved security and faster performance.” (このソフトウェアのアップグレードは本当の一挙両得だ – セキュリティの向上と処理速度の向上が得られる)
  4. Double benefit(二重の利益) より直接的に「二つの利益」を表現する言葉です。フォーマルな文脈でも使いやすい表現です。 例文:“Working from home offers the double benefit of eliminating commute time and increasing productivity.” (在宅勤務は通勤時間の削減と生産性の向上という二重の利益をもたらす)
  5. Win-win situation(双方が得をする状況) 厳密には「一挙両得」と少し異なり、「双方にとって有利な状況」を指しますが、文脈によっては「一挙両得」の意味合いで使われることもあります。 例文:“This partnership is a win-win situation for both companies, expanding market reach while sharing development costs.” (この提携は両社にとって市場拡大と開発コスト共有という一挙両得の状況だ)

日本語の「一挙両得」と英語の「Kill two birds with one stone」は、どちらも一つの行動で二つの良い結果を得るという概念を表していますが、文化的背景や使用される文脈には若干の違いがあります。英語圏のビジネスシーンでは、特に「Win-win」や「Double benefit」といった表現がよく使われる傾向にあります。

 

ビジネスシーンでの「一挙両得」の活用法

ビジネスにおいて「一挙両得」の考え方は非常に価値があります。限られたリソースで最大の効果を得るという効率性の追求は、あらゆる企業活動の基本だからです。ここでは、ビジネスシーンにおける「一挙両得」の具体的な活用事例を紹介します。

経営戦略での活用

経営戦略においては、複数の経営課題を同時に解決する施策を検討することが重要です。例えば:

  • デジタルトランスフォーメーション(DX):業務効率化とカスタマーエクスペリエンス向上を同時に実現
  • サステナビリティ戦略:環境負荷低減とコスト削減の両立
  • 人材育成投資:従業員満足度向上と長期的な企業競争力強化

これらの戦略は、一度の投資や取り組みで複数の経営課題を解決する「一挙両得」の好例です。

マーケティングでの活用

マーケティング活動においても、「一挙両得」の発想は効果的です:

  • コンテンツマーケティング:顧客に価値ある情報を提供しながら、自社のブランド認知度も向上させる
  • ソーシャルメディア活用:顧客との対話を深めつつ、市場調査も同時に行う
  • 共同プロモーション:異業種企業とのコラボレーションにより、両社の顧客基盤を相互に活用する

例えば、環境問題に取り組むCSR活動をSNSで発信することで、社会貢献とブランドイメージ向上という「一挙両得」が実現できます。

業務改善での活用

日常の業務改善においても「一挙両得」の視点は役立ちます:

  • 会議のオンライン化:移動時間の削減とグローバルなコミュニケーション促進
  • フレックスタイム制度:従業員の働きやすさ向上と、オフィススペースの効率的活用
  • ペーパーレス化:コスト削減と環境負荷低減の両立

例えば、クラウドシステムの導入は、情報共有の迅速化とデータバックアップの確保という「一挙両得」をもたらします。

一挙両得を見つけるためのヒント

ビジネスで「一挙両得」の機会を見つけるためのポイントは以下の通りです:

  1. 複数の視点を持つ:同じ課題や機会を異なる角度から見る習慣をつける
  2. 副次的効果を意識する:主目的以外にどのような良い効果があるかを常に考える
  3. 長期的視点と短期的視点を併せ持つ:即効性のある対策が長期的にもプラスになるかを検討する
  4. 部門間の壁を越えて考える:自部門だけでなく他部門や会社全体にどのような利益をもたらすかを考慮する

ビジネスリーダーは、常に「一挙両得」の機会を探し、限られたリソースで最大の効果を生み出す戦略的思考を磨くことが重要です。

 

まとめ

「一挙両得」は、一度の行動で二つの利益を得るという、効率性と賢明さを表す四字熟語です。中国の古典「荀子」に由来するこの言葉は、現代のビジネスや日常生活においても非常に重要な概念を表しています。

「一石二鳥」との違いは、「一挙両得」が得られる利益や結果に焦点を当てるのに対し、「一石二鳥」は行動と目的の関係に焦点を当てている点にあります。どちらも効率的に複数の成果を得ることを表しますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

「一挙両得」の類語としては、「一石二鳥」の他に「一挙両全」「一矢双的」などがあり、それぞれ少しずつ異なる意味合いやニュアンスを持っています。また、英語では「Kill two birds with one stone」「Two-for-one deal」「Double benefit」などの表現が対応します。

ビジネスシーンでは、経営戦略、マーケティング、業務改善など様々な場面で「一挙両得」の考え方を活用することで、限られたリソースを最大限に活かし、複数の課題を同時に解決することが可能になります。

日常生活においても、「一挙両得」を意識することで、時間やエネルギーを効率的に使い、より充実した生活を送ることができるでしょう。例えば、趣味と学習を組み合わせたり、家事と運動を同時に行ったりすることで、忙しい日々の中でも多くの価値を生み出すことができます。

「一挙両得」という言葉は、2000年以上前の古典に由来しながらも、効率性や相乗効果が重視される現代社会において、ますますその価値を高めているといえるでしょう。この四字熟語の本質を理解し、日々の生活やビジネスシーンで意識的に活用することで、より賢明な選択や行動につなげていきましょう。

 

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