メルカリで商品を購入されたあと、購入者から「いつごろ発送の予定でしょうか?」というメッセージが来たものの、通知を見落としてしまい返信できなかった。発送期限内にきちんと発送したにも関わらず、「返信もなく不安になるお取引でした」として残念評価をつけられてしまった──。
このような経験をされた出品者の方は決して少なくありません。結論からいうと、メルカリの規約上は出品者に責任を問われませんが、円滑な取引のためには適切な対応が望ましいケースと言えるでしょう。
本記事では、なぜこのようなトラブルが起こるのか、そして今後同じ状況を避けるためにはどうすれば良いのかを、メルカリ公式ガイドラインに基づいて詳しく解説していきます。メルカリでの取引をより円滑に進めたい出品者・購入者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
メルカリの規約上、発送期限内なら出品者の責任は問われない
まず最初に明確にしておきたいのは、メルカリの利用規約上、発送期限内に商品を発送していれば出品者の責任は問われないということです。ただし、これは最低限の条件であることも理解しておきましょう。
発送期限の設定と意味
メルカリでは出品時に「1〜2日で発送」「2〜3日で発送」「4〜7日で発送」という形で発送までの日数を設定できます。この設定は購入者との約束であり、この期限内に発送すれば利用規約上の義務は果たしていることになります。
今回のケースでは「4〜7日で発送」に設定されており、実際に期限内に発送されています。つまり、約束した条件はきちんと守られているのです。
発送日数に幅が設けられているのは、出品者にもそれぞれの都合や事情があることを前提としているからです。毎日発送作業ができるとは限りませんし、梱包に時間がかかる場合もあります。
メッセージ対応の位置づけ
メルカリにおいて、取引メッセージのやり取りは規約上必須ではありません。極端な話、一切メッセージをやり取りしなくても、商品の発送と受取評価が完了すれば取引は成立します。
ただし、メルカリ公式ガイドでは「取引メッセージを使って円滑な取引を行うよう推奨」されています。つまり、義務ではないものの、より良い取引のためには適切なコミュニケーションが望ましいということです。
購入者からの質問に対する回答も、法的な義務があるわけではありませんが、信頼関係を築く上では大切な要素と言えるでしょう。
なぜ残念評価がついてしまったのか?購入者と出品者の心理を分析
規約上は問題がないにも関わらず、なぜ残念評価がついてしまったのでしょうか。ここでは購入者と出品者、双方の心理を掘り下げて考えてみましょう。
購入者が不安になる理由
購入者の心理を理解することは、今後のトラブル防止に大変重要です。
メルカリには発送しない出品者も存在する現実があります。お金を払ったのに商品が送られてこない、音沙汰がないといったトラブルも実際に起こっています。そのため、特に取引回数の少ない初心者の購入者は、出品者からの連絡がないと「本当に発送してもらえるのだろうか」と不安になってしまうのです。
また、4〜7日という幅のある設定の場合、具体的にいつ頃発送されるのか気になってしまう購入者も多いでしょう。「用事があるので受取日を調整したい」「早めに受け取りたい事情がある」といった理由で発送予定日を知りたがる場合もあります。
購入者は決して催促しているつもりはなく、純粋に疑問に思ったことを質問しているケースが大半です。「いつごろ発送の予定でしょうか?」という質問も、丁寧な言葉遣いで敬意を示しながら聞いていることが伺えます。
出品者が感じる「催促」のプレッシャー
一方で、出品者側の気持ちも理解できます。発送期限を設定しているにも関わらず「いつ発送するのか」と聞かれると、催促されているような気分になってしまうのは自然な反応です。
特に忙しい日々を送っている出品者にとって、発送作業は合間を縫って行う作業です。「期限内に発送するから待っていてほしい」という気持ちもあるでしょう。
しかし、購入者の立場からすると、単純に情報を知りたいだけという場合が多いのです。この認識のズレがトラブルの元となります。
コミュニケーション不足が生む誤解
今回のトラブルの根本的な原因は、お互いの意思疎通不足にあります。
購入者は不安を解消したくて質問したのに、出品者からは何の返事もない。出品者は催促と感じて不快に思い、あえて返信しない。結果として、購入者は「無視された」「軽く扱われた」と感じ、出品者も「面倒な購入者だ」と感じてしまいます。
このような負のスパイラルを避けるためには、お互いに相手の立場を理解し、適切なコミュニケーションを心がけることが重要です。
メルカリでトラブルを防ぐメッセージ対応のコツ
実際にメルカリでのトラブルを避けるために、出品者ができるメッセージ対応のテクニックをご紹介します。
購入直後の挨拶テンプレート
まず、商品が購入されたらすぐに挨拶メッセージを送ることを習慣づけましょう。以下のようなテンプレートを用意しておくと便利です。
基本的な挨拶テンプレート例:
はじめまして。この度はご購入いただきありがとうございます。
○日〜○日以内に発送いたしますので、しばらくお待ちください。
発送が完了いたしましたらご連絡いたします。
取引完了まで、どうぞよろしくお願いいたします。
この一通のメッセージがあるだけで、購入者の不安は大幅に軽減されます。「出品者がきちんと購入に気づいている」「発送してもらえる」という安心感を与えることができるのです。
また、発送予定日についても具体的な幅を示すことで、購入者は見通しを立てやすくなります。
質問された時の上手な返し方
購入者から発送日について質問された場合の対応例をいくつかご紹介します。
| 状況 | 返答例 |
|---|---|
| 具体的な発送予定日が決まっている場合 | 「お忙しい中お気遣いいただきありがとうございます。○月○日頃の発送を予定しております。発送が完了いたしましたらご連絡いたします。」 |
| まだ発送日が未定の場合 | 「ご質問いただきありがとうございます。設定期間内での発送を予定しており、準備が整い次第発送いたします。発送完了時にはご連絡させていただきますので、もうしばらくお待ちください。」 |
| 早めの発送ができそうな場合 | 「お問い合わせいただきありがとうございます。予定より早く準備ができそうですので、○日頃には発送できそうです。準備でき次第、発送いたします。」 |
ポイントは、質問してくれたことへの感謝の気持ちを示すことです。「お気遣いいただきありがとうございます」「ご質問いただきありがとうございます」といった言葉を添えるだけで、相手への印象は大きく変わります。
発送時の適切なメッセージ例文
商品を発送した際も、発送通知だけでなくメッセージを添えると丁寧な印象を与えます。
発送時メッセージの例:
本日、商品を発送いたしました。
お手元に届くまで今しばらくお待ちください。
商品到着後、問題がございませんでしたら受取評価をお願いいたします。
この度はお取引いただき、ありがとうございました。
特に、質問をいただいていた場合は、その件についても触れるとより親切です。
お忙しい中、発送予定日についてご質問いただきありがとうございました。
本日、商品を発送いたしました。
お手元に届くまで今しばらくお待ちください。
(以下同様)
残念評価をもらってしまった時の対処法
すでに残念評価をつけられてしまった場合の対処方法についても解説します。
メルカリ事務局への問い合わせ方法
今回のケースでは、メルカリ事務局に問い合わせることは可能です。ただし、評価の削除は原則として行われません。以下の手順で問い合わせを行います。
- メルカリアプリの「お問い合わせ」から「取引について」を選択
- 「評価について」を選び、該当する取引を選択
- 状況を詳しく説明し、評価内容の確認を依頼
問い合わせ時のポイントは、事実を客観的に説明することです。感情的になるのではなく、以下の点を整理して伝えましょう。
- 設定していた発送期限と実際の発送日
- 購入者からの質問内容と自分の対応
- 通知を見落とした経緯
- 発送完了時に送ったメッセージの内容
評価削除について知っておくべきこと
メルカリでは評価の削除は原則として行われません。これは評価システムの信頼性を保つためです。
評価の削除が例外的に行われるのは、以下のような明確な規約違反がある場合のみです。
例外的に削除される可能性があるケース:
- 明らかな嫌がらせや誹謗中傷が含まれる評価
- 事実と全く異なる内容の評価
- 取引と関係のない理由による評価
ただし、今回のような「コミュニケーション不足」に関する評価は、購入者の主観的な感想として扱われることが多いのが現実です。
気持ちの切り替え方と今後への活かし方
評価の削除が認められなかった場合も、過度に落ち込む必要はありません。多くの利用者は評価の詳細まで細かく見ているわけではありませんし、一つの残念評価が今後の取引に大きく影響することは稀です。
むしろ、この経験を今後の取引改善のきっかけとして捉えることが大切です。
今回の件から学べることは以下の通りです。
- 購入直後の挨拶メッセージの重要性
- 通知設定の見直し(見落としを防ぐため)
- 購入者の不安な気持ちへの配慮
- 質問に対する適切な対応方法
これらの点を改善することで、今後はより円滑な取引ができるようになります。実際に、丁寧なメッセージ対応を心がけている出品者は、「安心して取引できました」「丁寧な対応をありがとうございました」といった高評価をもらいやすくなります。
購入者・出品者がお互いに気をつけたいポイント
最後に、今回のようなトラブルを防ぐために、購入者と出品者がそれぞれ気をつけるべきポイントをまとめます。
購入者が心がけること
商品を購入する前に以下の点を確認しましょう。
- 発送までの日数設定
- 出品者のプロフィールや過去の評価
- 商品説明に記載された発送に関する注意事項
また、質問がある場合は購入前に聞くのがベストです。購入後の質問は出品者にプレッシャーを与えてしまう可能性があります。
購入後に質問する場合は、以下のような配慮を心がけましょう。
- 丁寧な言葉遣いで質問する
- 催促ではないことを明示する
- 出品者の都合を理解していることを伝える
購入後質問の良い例:
お忙しい中失礼いたします。
急いでいるわけではないのですが、受取日の調整をしたく、
もしよろしければ発送予定日を教えていただけますでしょうか。
お手すきの時で構いません。よろしくお願いいたします。
出品者が意識すべきこと
出品者として心がけるべき点は以下の通りです。
基本的な対応:
- 購入されたらすぐに挨拶メッセージを送る
- 質問には可能な限り迅速に回答する
- 発送時にもメッセージを送る
- 通知設定を見直し、見落としを防ぐ
心構えについて:
- 購入者の不安な気持ちを理解する
- 質問=催促ではないことを認識する
- 丁寧なコミュニケーションがトラブル防止につながることを理解する
特に重要なのは、「規約上問題ない」と「良い取引」は別問題だということです。規約を守ることは最低限の条件であり、その上で相手に配慮したコミュニケーションを心がけることが、評価の高い出品者になるコツです。
また、以下のような対応テンプレートを用意しておくと、忙しい時でも適切な対応ができます。
| 場面 | テンプレート例 |
|---|---|
| 購入直後 | 「ご購入ありがとうございます。○日以内に発送いたします。よろしくお願いいたします。」 |
| 質問への回答 | 「ご質問いただきありがとうございます。○日頃の発送を予定しております。」 |
| 発送完了時 | 「本日発送いたしました。到着までお待ちください。」 |
まとめ
今回のメルカリでのトラブルは、規約上は出品者に責任を問われないものの、コミュニケーション不足が原因で起こった残念なケースと言えます。
購入者は決して催促しているわけではなく、純粋に疑問に思ったことを質問しただけでした。一方、出品者も決して規約を破ったわけではなく、期限内にきちんと発送を行いました。しかし、お互いの意思疎通が不十分だったために、誤解が生まれてしまったのです。
このようなトラブルを防ぐためには、お互いの立場を理解し、適切なコミュニケーションを心がけることが何より重要です。
出品者ができることとしては、購入直後の挨拶メッセージ、質問への適切な回答、発送時のお知らせメッセージを心がけることです。これらは義務ではありませんが、メルカリ公式ガイドでも推奨されており、実践することで購入者の満足度は大幅に向上し、高評価につながります。
もし残念評価をつけられてしまった場合は、メルカリ事務局への問い合わせは可能ですが、評価の削除は原則として行われないことも理解しておきましょう。最も大切なのはこの経験を次回以降の取引改善に活かすことです。
メルカリは顔の見えない取引だからこそ、相手への思いやりと適切なコミュニケーションが欠かせません。今回の件をきっかけに、より良い取引ができるようになることを願っています。
最後に、このようなトラブルは決して珍しいことではありません。完璧な取引というのは難しいものですが、お互いに歩み寄る気持ちがあれば、きっと良い取引ができるはずです。今回の経験を糧に、これからも楽しいメルカリライフを送ってくださいね。
※本記事の内容は、メルカリ公式ヘルプ・ガイドライン(2025年時点)に基づいて作成されています。最新の情報については、メルカリ公式サイトをご確認ください。

