マイナンバーカードを紛失してしまった時、「悪用されるのでは」「再発行はどうすれば」と不安になりますよね。
実は、マイナンバーカードには紛失時の安全対策機能が備わっており、正しい手順で対処すれば悪用リスクを最小限に抑えることができます。
この記事では、マイナンバーカード紛失時の対処法を、初めての方にも分かりやすく段階的に解説します。緊急時にすぐ行動できるよう、必要な手続きの順序、準備すべき書類、費用や期間まで詳しくご紹介します。
慌てずに適切な対応をすることで、安心してマイナンバーカードを再発行できるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
マイナンバーカード紛失時に最初にやるべき3つのこと
マイナンバーカードの紛失に気づいたら、まず以下の3つのステップを順番に実行しましょう。これらの対応により、不正利用のリスクを大幅に減らすことができます。
①まずは落ち着いて紛失箇所を確認
パニックになる気持ちは分かりますが、まずは深呼吸をして落ち着きましょう。
紛失に気づいたら、以下の場所を順番に確認してみてください:
- 財布の中やカードケース
- バッグの中やポケット
- 車の中(ダッシュボード、シート下など)
- 自宅(机の上、引き出し、洗濯機など)
- 最後に立ち寄った店舗
意外にも「紛失したと思ったら家にあった」というケースは少なくありません。焦らずに一つ一つ確認することが大切です。
②個人番号カード機能停止サービスで一時停止
確認しても見つからない場合は、すぐにマイナンバーカードの機能を一時停止します。
この手続きは24時間365日対応可能で、以下の方法で行えます:
マイナンバー総合フリーダイヤル
- 電話番号:0120-95-0178(無料)
- 受付時間:24時間対応
- 必要情報:氏名、生年月日、電話番号
マイナポータル
- インターネット経由で手続き可能
- ログイン後「各種手続き」から選択
一時停止により、電子証明書機能やコンビニでの各種証明書取得機能が無効になり、不正利用を防げます。
③警察署・交番で紛失届を提出
機能停止後は、お住まいの地域の警察署または交番で紛失届を提出します。
紛失届の提出により:
- 正式な紛失記録が作成される
- 遺失届受理番号が発行される
- 再発行手続きで必要な証明書類が取得できる
この遺失届受理番号は、後の再発行手続きで必要になるため、必ずメモを取るか受理証明書をもらっておきましょう。
マイナンバーカード機能停止の詳しい手順
マイナンバーカードの機能停止は、紛失対応の中でも最も重要で緊急性の高い手続きです。詳しい手順を確認しておきましょう。
24時間対応のコールセンター利用方法
マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)は、最も確実で迅速な停止方法です。
電話をかけると、音声ガイダンスが流れます:
- 「5番」を選択(個人番号カード機能停止)
- オペレーターにつながる
- 本人確認のため以下を聞かれます:
- 氏名(フリガナ)
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
手続き完了後、機能停止受付番号が発行されるので、必ずメモしておきましょう。この番号は再発行時に必要になります。
マイナポータルでの停止手続き
インターネット環境がある場合は、マイナポータルからも手続きが可能です。
ただし、この方法には以下の制約があります:
- 他のマイナンバーカード(家族など)でのログインが必要
- スマートフォンやICカードリーダーが必要
- 電子証明書が有効な状態でのみ利用可能
緊急時は電話での手続きの方が確実でしょう。
機能停止後の注意点
機能停止後は以下のサービスが利用できなくなります:
| 停止される機能 | 影響する場面 |
|---|---|
| 電子証明書機能 | e-Tax、マイナポータルログイン |
| コンビニ交付サービス | 住民票、印鑑証明書の取得 |
| 健康保険証機能 | 医療機関での受診 |
これらの機能は、新しいカードを受け取るまで利用できないため、代替手段を準備しておくことが大切です。
紛失届提出の完全ガイド
警察署での紛失届提出は、再発行手続きで必須の手続きです。スムーズに進めるためのポイントを押さえておきましょう。
警察署での手続きに必要な書類
紛失届提出時に持参するものは以下の通りです:
必須書類
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑(認印可)
あると便利な情報
- 紛失した日時・場所の詳細
- 紛失時の状況説明
- マイナンバーカードの券面番号(分かる場合)
本人確認書類が不足している場合でも、複数の書類を組み合わせることで手続きが可能です。事前に警察署に電話で確認すると安心です。
遺失届受理番号の重要性
紛失届を提出すると、遺失届受理番号が発行されます。
この番号は以下の場面で必要になります:
- 市区町村でのマイナンバーカード再発行申請
- 保険会社への紛失報告
- 勤務先への報告
番号は紙に記載してもらえますが、念のためスマートフォンで写真撮影しておくことをおすすめします。
受理証明書の取得方法
再発行手続きによっては、遺失届受理番号だけでなく受理証明書が必要な場合があります。
受理証明書は以下の方法で取得できます:
- 紛失届提出時に同時請求
- 後日、遺失届受理番号を持参して請求
- 手数料:一般的に数百円程度
市区町村によって要求される書類が異なるため、再発行手続き前に電話で確認しておくと二度手間を避けられます。
再発行手続きの流れと必要書類
マイナンバーカードの再発行は、お住まいの市区町村窓口で行います。手続きの流れと必要書類を詳しく確認しましょう。
市区町村窓口での申請方法
再発行手続きは以下の流れで進みます:
Step1:窓口での申請
- 平日の開庁時間内に市区町村窓口へ
- 「個人番号カード再交付申請書」を記入
- 必要書類と手数料を提出
Step2:申請内容の確認
- 職員による書類確認
- 本人確認
- 顔写真撮影(その場で実施)
Step3:交付予定日の連絡
- 交付予定日の案内
- 受け取り時の注意事項説明
手続き自体は30分程度で完了しますが、混雑状況によって待ち時間が発生する場合があります。
必要な本人確認書類一覧
再発行申請時の本人確認書類は、以下の組み合わせが必要です:
A書類(1点で可)
- 運転免許証
- パスポート
- 運転経歴証明書(平成24年4月1日以降交付のもの)
B書類(2点必要)
- 健康保険証
- 年金手帳
- 社員証(顔写真付き)
- 学生証(顔写真付き)
C書類(1点+その他書類)
- 住民票の写し
- 戸籍謄本・抄本
| 書類の種類 | 必要点数 | 備考 |
|---|---|---|
| A書類のみ | 1点 | 最も確実 |
| B書類のみ | 2点 | 組み合わせ注意 |
| C書類+その他 | 1点+α | 事前確認推奨 |
申請時の注意点とポイント
スムーズな手続きのために、以下の点にご注意ください:
事前準備のポイント
- 必要書類の有効期限確認
- 手数料の準備(現金のみの場合が多い)
- 印鑑の持参(シャチハタ不可)
申請書記入時の注意
- 黒色のボールペンで記入
- 修正液・修正テープは使用不可
- 誤記入時は新しい用紙に書き直し
顔写真撮影時のポイント
- 帽子・サングラスは外す
- 髪の毛で顔が隠れないよう注意
- 正面を向いて無表情で撮影
これらの準備をしっかりと行うことで、一回で手続きを完了させることができます。
再発行費用と受け取りまでの期間
マイナンバーカード再発行にかかる費用と期間について、詳しく解説します。
手数料の詳細
マイナンバーカード再発行時の手数料は、全国一律で設定されています:
基本手数料
- 個人番号カード再交付手数料:800円
- 電子証明書発行手数料:200円
- 合計:1,000円
支払い方法
- 現金のみ(クレジットカード不可)
- おつりが出ないよう準備推奨
- 領収書は必ず受け取る
手数料は申請時に支払いますが、万が一申請を取り下げる場合でも返金されないことが一般的です。
交付までにかかる日数
再発行したマイナンバーカードの受け取りまでの期間は:
標準的な期間
- 申請から交付まで:約1ヶ月
- 地域によって:3週間~6週間程度
期間に影響する要因
- 申請時期(年度末・年始は長期化)
- 地域の申請状況
- システムメンテナンス
受け取り準備の連絡
- 市区町村から交付通知書が郵送される
- 電話連絡の場合もある
- 交付予定日から60日以内に受け取り必要
受け取り時の手続き
新しいマイナンバーカードの受け取り時には、以下の手続きが必要です:
持参するもの
- 交付通知書(郵送されたもの)
- 本人確認書類
- 住民基本台帳カード(持っている場合)
受け取り時の確認事項
- カード券面情報の確認
- 暗証番号の設定(4桁の数字)
- 利用者証明用電子証明書暗証番号の設定
暗証番号は以下の用途で使用するため、忘れにくい番号を設定しましょう:
- コンビニでの証明書取得
- e-Taxでの確定申告
- マイナポータルへのログイン
マイナンバーカード紛失を防ぐ5つの対策
一度紛失を経験すると、「二度と同じ思いはしたくない」と感じるものです。今後の紛失を防ぐための実践的な対策をご紹介します。
持ち歩く頻度を見直す
マイナンバーカードは常時携帯が義務ではありません。必要な時だけ持ち歩くことで、紛失リスクを大幅に減らせます。
持ち歩きが必要な場面
- コンビニでの証明書取得
- 医療機関での受診(健康保険証として)
- 確定申告時期のe-Tax利用
- 引っ越し手続き
持ち歩き不要な場面
- 日常の買い物
- 職場への通勤
- 旅行やレジャー
普段は自宅で保管し、使用予定がある日のみ持参するという習慣をつけると安心です。
保管場所の工夫
自宅での保管方法も紛失防止の重要なポイントです。
推奨する保管方法
- 専用ケースでの保管(他のカードと分離)
- 家族全員が把握できる決まった場所
- 防犯・防災を考慮した場所
避けるべき保管場所
- 洗濯機周辺(洗濯時の紛失リスク)
- 車内(盗難・高温によるカード劣化)
- 財布の中(日常使いでの紛失リスク)
| 保管場所 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 専用ケース | 安全性高い | 場所を忘れやすい |
| 引き出し | 見つけやすい | 家族が移動させる可能性 |
| 金庫 | 最高の安全性 | 取り出しが面倒 |
デジタル化による活用
現在、マイナンバーカードの機能はスマートフォンアプリでも一部利用できるようになっています。
スマートフォンでできること(2025年10月現在)
- マイナポータルへのログイン
- 各種証明書の電子申請
- 健康保険証機能(一部医療機関)
重要な注意点
- Android端末のみ正式対応(全機能利用可能)
- iOS端末は機能が限定的
- すべての機能がデジタル化されているわけではない
メリット
- 物理カードを持ち歩く機会を減らせる
- 紛失リスクの軽減
- より便利な利用が可能(対応端末のみ)
Android端末をお使いの方は、デジタル機能を活用することで物理カードの使用頻度を減らし、紛失リスクを軽減できます。ただし、完全にカードが不要になるわけではないため、併用することが現実的です。
その他の防止策
- カードケースに連絡先を記載
- 紛失保険への加入検討
- 定期的な所在確認の習慣化
これらの対策を組み合わせることで、マイナンバーカード紛失のリスクを最小限に抑えることができます。
まとめ
マイナンバーカードを紛失した時は、慌てずに適切な順序で対応することが最も重要です。
緊急時の3ステップをまとめると:
- 落ち着いて確認 – 本当に紛失したかを再確認
- 即座に機能停止 – 24時間対応のフリーダイヤルを活用
- 紛失届の提出 – 警察署で正式な記録を作成
再発行手続きでは、必要書類の準備と手数料(1,000円)の用意、そして約1ヶ月の交付期間を見込んでおきましょう。
何より大切なのは、今後の紛失防止策です。持ち歩き頻度の見直し、適切な保管場所の確保、そして対応端末であればデジタル機能の活用により、安心してマイナンバーカードを利用できます。
マイナンバーカードは私たちの生活に欠かせないツールになってきています。正しい知識を持って、安全に活用していきましょう。
この記事が、マイナンバーカード紛失時の不安解消と、適切な対応の助けになれば幸いです。

