2025年11月4日(火)に放送を開始したNHK夜ドラ「ひらやすみ」が大きな話題となっています。岡山天音さん主演で描かれる、心温まる平屋での日常生活は、多くの視聴者の心を癒やしています。
原作漫画と同じく、ドラマでも実在する場所での撮影が数多く行われており、「聖地巡礼をしたい!」という声が続々と寄せられています。
このドラマの魅力の一つは、リアルな生活感あふれるロケーションにあります。主人公ヒロトが住む平屋から、彼がアルバイトをする釣り堀、従妹なつみが通う美術大学まで、すべて実在する場所で撮影されているのです。
この記事では、ドラマ「ひらやすみ」の全ロケ地を詳しくご紹介し、聖地巡礼を楽しみたい方に向けて、アクセス方法や見どころ、注意点までを完全解説いたします。
ドラマ「ひらやすみ」とは?作品の基本情報
「ひらやすみ」は、真造圭伍さんによる人気漫画が原作のNHK夜ドラです。週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の本作は、2022年「マンガ大賞」第3位にも選ばれた注目作品です。
物語の主人公は、29歳のフリーター・生田ヒロト(岡山天音さん)。近所のおばあちゃんから譲り受けた東京・阿佐ヶ谷の平屋で、美大生の従妹・小林なつみ(森七菜さん)と共同生活を送ります。
この作品の大きな特徴は、日常の小さな幸せや人とのつながりを丁寧に描いている点です。ドラマチックな展開よりも、穏やかで温かい日常の描写に重点が置かれており、現代人が忘れがちな「ゆったりとした時間の大切さ」を改めて感じさせてくれます。
制作にあたっては、原作の世界観を忠実に再現するため、多数の候補物件から理想的な平屋を選び抜いたというエピソードもあります。このこだわりが、視聴者に「本当にここで暮らしているような」リアリティを提供しているのです。
主人公・ヒラの平屋住宅はどこ?【メインロケ地】
ドラマの最重要ロケ地である平屋の住宅について、詳しくご紹介します。
平屋の外観ロケ地
住所:千葉県佐倉市内(詳細住所は非公開)
主人公ヒロトとなつみが住む平屋は、千葉県佐倉市内にある実在する空き家を利用して撮影されています。制作チームが多数の候補から選び抜いた「奇跡の物件」です。
この平屋が選ばれた理由として、以下の特徴が挙げられます:
- 庭と建物の調和:縁側から庭へと続く自然な空間のつながり
- 昭和レトロな佇まい:建物全体に漂う懐かしい雰囲気が原作の世界観にマッチ
- 原作に近い雰囲気:庭の雰囲気や木の配置が原作のイメージに合致
内装ロケ地の特徴
平屋の内部も実際にこの建物で撮影されています。ヒロトがいつも料理を作る小さな台所、右側のヒロトの部屋、左側のなつみの部屋まで、すべて実際の間取りを活用しています。
撮影のために以下のような工夫が施されました:
- 縁側の新設:ドラマでよく登場する縁側は、撮影のためにゼロから作られたセット
- 庭の季節演出:原作者のリクエストにより、季節に応じた造花が追加
- エイジング加工:建物全体に昭和の雰囲気を演出する加工を実施
釣り堀のロケ地を徹底調査!
ヒロトのバイト先として頻繁に登場する釣り堀は、阿佐ヶ谷にある実在のスポットです。
釣り堀「寿々木園」の詳細情報
住所:東京都杉並区阿佐谷南3-38-33
営業時間:朝8時~日没(17時頃)
定休日:金曜日
アクセス:JR中央線「阿佐ヶ谷駅」から徒歩約3分
寿々木園は、大正13年(1924年)創業で、2024年に創業100周年を迎えた老舗の釣り堀です。住宅街の中にある小さなオアシスのような存在として地域の人々に愛されています。
ドラマでの登場シーン
ドラマでは以下のような重要シーンの舞台となっています:
- ヒロトの日常的な職場として頻繁に登場
- 第3回でヒロトとよもぎさんが初めて出会う場所
- 七夕まつりの準備でハリボテを作るシーンの舞台
- ヒロトが釣り堀に落ちるシーンでは岡山天音さんが実際に体当たり演技
制作スタッフが実際にロケハンを行った際、「個性的で素敵なお客さんがたくさんいた」ため、ドラマのキャラクター作りの参考にもなったそうです。
実際に釣りはできる?
はい、手ぶらで金魚釣りと鯉釣りを楽しむことができます。店番の方も「『ひらやすみ』を持って来場されるお客さんもいらっしゃいます」と、ファンの聖地巡礼を温かく迎えてくださっています。
釣り堀の魅力:
- 都心でありながら、ゆったりとした時間が流れる
- 小さなお子様からお年寄りまで楽しめる
- まさに「ひらやすみ」らしい穏やかな時間を体験できる
この釣り堀は、地元メディアでも紹介されたことがある、地域の貴重なスポットです。
美術大学のロケ地はどこ?
なつみが通う美術大学のシーンは、実在する名門美術大学で撮影されています。
外観撮影に使われた大学
武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス
住所:東京都小平市小川町1-736
アクセス:西武国分寺線「鷹の台駅」から徒歩約18分
武蔵野美術大学(通称「ムサビ」)は、日本を代表する美術大学の一つです。原作漫画でも同じ正門付近の風景が登場しており、制作陣のこだわりを感じることができます。
キャンパス内のロケーション
大学関係者の協力のもと撮影が行われたと報じられており、以下の場所が撮影に使用されました:
- 5A号館ピロティ:学生たちが集まる開放的なスペース
- 10号館アトリエ:美術制作の現場となる専門施設
- 12号館食堂:なつみが「ぼっち」ぶりを発揮していた第2食堂
多くの武蔵野美術大学の学生もエキストラとして撮影に参加しており、リアルな大学生活の雰囲気が見事に再現されています。
一般見学の可否
武蔵野美術大学では、一般の方向けのオープンキャンパスや学園祭などのイベントが開催されています。これらのタイミングであれば、キャンパス内を見学することが可能です。
見学時の注意:
- 普段のキャンパスは学生の学習の場のため、無断での立ち入りは禁止
- 見学可能なイベント情報は大学公式サイトで確認
- 撮影場所は学内の様々な箇所のため、全てを見学するには時間が必要
美術大学ならではの創作活動の雰囲気と、なつみが漫画を描く環境のリアリティを感じられるロケ地として、ファンには特に印象深いスポットとなっています。
阿佐ヶ谷エリアの聖地巡礼スポット
ドラマの主要舞台である阿佐ヶ谷エリアには、数多くの聖地巡礼スポットが点在しています。
商店街のシーン
阿佐谷パールセンター商店街
JR阿佐ヶ谷駅南口から続く、全長約700mの歴史ある商店街です。ドラマではよもぎさんが深夜に歩くシーンなどで登場しています。
特徴:
- 昭和の雰囲気を残すレトロなアーケード
- 阿佐谷七夕まつりの会場としても有名
- 原作者・真造圭伍さんも実際によく利用する商店街
カフェ・飲食店
1. たこ焼き屋「わいたこ」
- 住所:東京都杉並区阿佐谷北1-3-2
- 登場シーン:ヒロトがバイト前に立ち寄り、おばあちゃんから釣り堀の場所を聞かれるシーン
- 特徴:塩・ソース・めんたいマヨなど多彩な味を楽しめる地元の人気店
2. 居酒屋「ぼてふりの四文屋 阿佐ヶ谷南口店」
- 登場シーン:第2話でヒロトとヒデキが訪れた居酒屋
- 特徴:串煮込みと海鮮が自慢の、地元に愛される居酒屋
3. カフェ・ド・ウィング
- 場所:阿佐ヶ谷駅南口、ビル2階
- 登場シーン:よもぎさんが小説家・石川と話していた窓際の席
- 特徴:昭和の「純喫茶」の雰囲気を残す落ち着いた空間
駅周辺のロケ地
JR阿佐ヶ谷駅
- 南口噴水広場「赤ちゃん噴水池」:なつみとあかりの待ち合わせ場所
- 駅構内エスカレーター:ヒロトとよもぎさんがバッタリ遭遇するシーン
- 3・4番線ホーム:土日祝日の中央線快速通過時を利用して撮影
撮影エピソード: 制作スタッフによると、駅構内の撮影は「一般の方が使われないタイミング」を狙って行われ、地域の協力のもと実現したそうです。
佐倉市周辺のロケ地
平屋の住宅がある佐倉市では、家の周辺でも撮影が行われています。
佐倉市で撮影されたシーン
1. 佐倉市内の住宅街
- 登場シーン:1年前のヒロトがブラブラ歩き、「ばーちゃん」の家を発見する重要なシーン
- 場所:千葉県佐倉市内(平屋のロケ地近く)
2. 佐倉市内の自然豊かなロケーション 平屋の庭や周辺の風景は、季節感を大切にした撮影が行われています。原作者のリクエストにより、季節に応じた装飾も施され、四季折々の美しさが表現されています。
地元の協力体制
佐倉市公式も撮影を全面バックアップしており、市の公式Twitterでも撮影の様子が紹介されました。佐倉市フィルムコミッションとしても、このような大型ドラマの誘致は地域活性化の重要な取り組みとなっています。
地域への配慮:
- 住宅地での撮影のため、近隣住民への細心の注意
- 撮影スケジュールの地域への事前告知
- 環境美化への配慮
その他の注目ロケ地
阿佐ヶ谷や佐倉市以外にも、重要なシーンで使われたロケ地があります。
東京都内の撮影スポット
1. ヒロトの元アパート
- 場所:東京都府中市西府町の「ハウススタジオ和洋空間」
- 特徴:昭和の雰囲気を残す築40年のアパートスタジオ
- 登場シーン:ばあちゃんの家に住む前のヒロトの住まい
2. 出版社シーンの撮影場所
- 登場シーン:なつみが編集者の二階堂に会いに行く出版社
- 撮影形態:出版社を模したオフィススタジオで撮影された可能性が高い
- 特徴:リアルな出版社の雰囲気を再現したセット
3. 家具店「スローハウス」
- 住所:東京都品川区東品川2-1-3
- 登場シーン:ヒデキが働くオシャレな家具屋
4. 新宿エリア
- 場所:ビッグス新宿ビル前の路上(明治通り)
- 登場シーン:ヒロトとなつみが映画を見に行った帰り道
隠れた名所
1. 古書コンコ堂
- 場所:阿佐ヶ谷北口の松山通り
- 特徴:ヒロトが黒猫とふれあうシーンの舞台
- 魅力:原作者・真造さんもよく訪れる地元の古本屋
2. 阿佐谷北1丁目歩道橋
- 登場シーン:ヒロトとなつみが夕景を眺めながら会話する印象的なシーン
- 特徴:マジックアワーを狙った美しい撮影が印象的
3. 中杉通り
- 場所:早稲田通り方面からJR阿佐ヶ谷駅への道
- 登場シーン:ばーちゃんとの食事後、ヒロトがバイクで帰る夜の道
聖地巡礼を楽しむためのコツ
「ひらやすみ」のロケ地巡りを最大限楽しむためのポイントをご紹介します。
効率的な回り方
モデルコース1:阿佐ヶ谷エリア集中コース(半日)
- JR阿佐ヶ谷駅スタート
- 寿々木園(釣り堀)
- わいたこ(たこ焼き屋)
- 阿佐谷パールセンター商店街
- 阿佐谷北1丁目歩道橋
- 古書コンコ堂
モデルコース2:平屋メインコース(1日)
- 佐倉市エリア散策(平屋の外観は距離を保って見学)
- 佐倉市内観光
- 阿佐ヶ谷エリア聖地巡礼
モデルコース3:美大コース(半日)
- 武蔵野美術大学鷹の台キャンパス
- 小平市内観光
- 阿佐ヶ谷エリアへ移動
撮影マナーと注意点
絶対に守るべきルール:
- 住宅地での撮影は控えめに
- 佐倉市の平屋周辺では特に静粛に
- 具体的な場所の特定や住所の公開は避ける
- 長時間の滞在は近隣迷惑となるため避ける
- 店舗での配慮
- 釣り堀や飲食店では利用客として訪問
- 撮影前にスタッフに一声かける
- 混雑時の撮影は避ける
- 公共の場でのマナー
- 歩道橋や駅では通行の妨げにならない
- 大声での会話は控える
- ゴミは必ず持ち帰る
- SNS投稿時の注意
- 住宅地の詳細な位置情報は避ける
- 他の利用客が写り込まないよう配慮
- ハッシュタグで聖地巡礼の輪を広げる
おすすめの時期・時間帯
時期別の楽しみ方:
| 季節 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| 春 | 桜シーズン | 阿佐ヶ谷の桜並木と合わせて楽しめる |
| 夏 | 阿佐谷七夕まつり | ドラマでも登場する祭りを実際に体験 |
| 秋 | 紅葉シーズン | 平屋周辺の自然が美しく色づく |
| 冬 | 澄んだ空気 | 歩道橋からの夜景が特に美しい |
時間帯別のコツ:
- 午前中(9:00-12:00):住宅地見学に最適、地元の方の迷惑になりにくい
- 午後(13:00-17:00):商店街散策、カフェでのんびり
- 夕方(17:00-19:00):マジックアワーの歩道橋、夜景撮影
平日と休日の使い分け:
- 平日:釣り堀などでゆっくり過ごす、住宅地見学
- 休日:商店街の活気、イベント参加
まとめ
NHK夜ドラ「ひらやすみ」は、実在するロケ地の魅力を最大限に活かした作品です。千葉県佐倉市の平屋から東京・阿佐ヶ谷の商店街、武蔵野美術大学まで、それぞれが物語の重要な舞台として機能しています。
ロケ地巡りの特別な魅力:
- 原作者が実際に愛用する場所を体験できる
- ドラマの世界観をリアルに感じられる
- 地域の魅力を再発見できる
- 「ひらやすみ」的なゆったりした時間を過ごせる
聖地巡礼を通じて、日常の中にある小さな幸せや、人とのつながりの大切さを改めて感じることができるでしょう。ドラマで描かれた「変わらない日常の尊さ」を、実際の場所で体験する貴重な機会となります。
マナーを守って楽しい聖地巡礼を心がけ、制作陣が大切に育んだ作品の世界観を、実際のロケ地で存分に味わってみてください。きっと、ドラマを見る目がさらに深くなり、「ひらやすみ」の魅力を新たに発見できるはずです。
各ロケ地が末永く愛され、地域と作品ファンが良好な関係を築いていけるよう、一人ひとりの心遣いが何より大切です。穏やかで温かい「ひらやすみ」の世界観を、現実でも大切にしていきましょう。


