ある日突然、家の塀や玄関の外壁に緑色の小さな虫がびっしりと付いていて驚いた経験はありませんか?
「花も植えていないのに、なぜ?」「家の横が畑だから、そこから来たのかな?」と疑問に思う方も多いでしょう。
その正体は、緑色のアブラムシです。アブラムシは植物を育てていなくても、風に乗って飛来し、外壁や塀に一時的に付着することがあります。特に畑が近くにある家では、この現象がよく見られます。
この記事では、花を植えていない場所でもアブラムシが大量発生する理由と、家の外壁や玄関についたアブラムシを効果的に駆除する方法、そして再発生を防ぐための予防策まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
家の外壁や玄関に緑のアブラムシが大量発生する理由
まずは「なぜ花も植えていないのに、アブラムシが家の壁に?」という疑問にお答えします。
畑や雑草から風に乗って飛来してくる
アブラムシには、羽のある「有翅型(ゆうしがた)」と羽のない「無翅型(むしがた)」の2種類が存在します。
アブラムシは風に乗って遠くまで移動することができます。そのため、近くにある畑や庭、森林から風に乗って侵入してくることも珍しくありません(参照:ホームレスキュー)。
つまり、あなたの家で花や植物を育てていなくても、隣接する畑の野菜や雑草に発生したアブラムシが、風に乗って飛んできて外壁や塀に一時的に付着するということが起こるのです。
特に家の横が畑になっている環境では、畑で繁殖したアブラムシが大量に飛来しやすくなります。
花を植えていなくても寄ってくるアブラムシの習性
「植物がないのになぜ?」と不思議に思うかもしれませんが、アブラムシは移動中に一時的に外壁や塀などの構造物に付着することがあります。
アブラムシは植物の汁を吸って生きる昆虫のため、基本的には植物のある場所に寄生しますが、風に乗った移動中に建物の外壁に止まることがあるのです。
アブラムシは非常に小さく、体長は2~4mm程度で、緑色のほか、黒色、赤褐色、黄色などさまざまな色があります(参照:フマキラー)。
春と秋に特に大量発生しやすい時期
アブラムシは極端な寒さや暑さに弱いため、活発に活動する時期は3~10月。4~6月、9~10月の穏やかな気候の時期は特に繁殖します(参照:フマキラー)。
真夏の蒸し暑い時期や真冬の極寒期には活動が鈍りますが、春や秋の穏やかな気候の時期には爆発的に繁殖します。
もし今、家の外壁にアブラムシが大量発生しているなら、それはまさにアブラムシが最も活発になる季節だからかもしれません。
アブラムシが外壁や塀に集まる原因は何?
アブラムシが外壁や塀に集まりやすい理由は、その生態と住環境に関係しています。
風通しが悪く日当たりの悪い場所に発生しやすい
株間が狭く、風通しが悪いとアブラムシが発生しやすくなります。株が密集していると他の株にも行きやすく、アブラムシにとって過ごしやすい環境となってしまいます(参照:マイナビ農業)。
これは植物だけでなく、建物周辺にも当てはまります。家の北側の外壁や、風通しの悪い塀の裏側など、密閉された環境はアブラムシが付着しやすい場所です。
ただし、アブラムシは植物の栄養(師管液)を求めるため、外壁に長期間定着することは少なく、主に移動中の一時的な付着と考えられます。
畑の近くの家が狙われやすい理由
畑で野菜を栽培していると、野菜の葉や茎からアブラムシが発生します。
畑のアブラムシの数が増えすぎると、エサとなる植物の養分が足りなくなり、新たなエサを求めて羽のある個体が飛び立ちます。
そのアブラムシたちが風に乗って移動する際、畑のすぐ隣にある家の外壁や塀に一時的に付着することがあります。
越冬した卵から春に孵化して増える
アブラムシは秋になると、植物の芽の付近などに卵を産み付けて越冬するのが一般的です。そして、春になって卵が孵化し、生まれた個体が成長して繁殖します(参照:KINCHO園芸)。
もし前年の秋に外壁近くの雑草などに卵が産み付けられていた場合、春になって一斉に孵化し、大量発生につながる可能性があります。
そのため、冬の間に雑草を刈り取っておくことも、春のアブラムシ発生を抑える効果があります。
家の外壁・塀についた緑のアブラムシを今すぐ駆除する方法
外壁や玄関についたアブラムシは、放置すると近隣の植物や畑に移動して被害を広げる可能性があります。見つけたらすぐに駆除しましょう。
【即効性あり】ホースの水で洗い流す
最も手軽で効果的な方法が、ホースで水を勢いよくかけて洗い流す方法です。
ホースの水流で流す方法は、植物への負担を軽減しながらアブラムシを駆除できるメリットがあります(参照:コーナンTips)。
外壁や塀の場合は植物がないため、遠慮なく強めの水圧で洗い流すことができます。
アブラムシは小さく、水圧に弱いため、勢いよく水をかけるだけで簡単に落とすことができます。
粘着テープやガムテープで直接取り除く
水が使えない場所や、少量のアブラムシには粘着テープやガムテープを使う方法も有効です。
粘着テープは、100均でそろえられるガムテープやセロハンテープで問題ありません(参照:コーナンTips)。
外壁の表面を傷つけないように、テープを軽く押し当てながらアブラムシを吸着させて取り除きます。
この方法は、数が少ない場合や、水で濡らしたくない玄関ドア周辺などで特に便利です。
50℃前後のお湯で駆除する(実用面では条件に左右される)
アブラムシは気温約50℃で死滅するといわれています(参照:ド素人がはじめたDIY)。
やかんで沸かしたお湯を少し冷まして、スプレーボトルに入れて吹きかける方法です。
ただし、高温に弱いことは確かですが、実際の効果はかけ方や接触時間に左右されます。また、外壁の素材によっては熱湯で変色や劣化する可能性があるため、目立たない場所で試してから使用することをおすすめします。
市販の殺虫スプレーを使う(植物がない場所向け)
大量発生してしまった場合は、市販の殺虫スプレーを使うのが最も効果的です。
薬剤には液体タイプと粒タイプがありますが、即効性があるのは液体タイプです。液体をかけると一瞬で緑の塊がパラパラと落ちてくるので実感が得られます(参照:すまサポ)。
ただし、近くに畑がある場合は、風で薬剤が野菜に飛散しないよう注意が必要です。
外壁や塀専用として使う場合は、畑から離れた場所で、風のない日に使用しましょう。
外壁や玄関のアブラムシ駆除で注意すること
アブラムシを駆除する際には、いくつかの注意点があります。
条件が整えば少数からでも急増する
アブラムシの駆除は中途半端に行うのではなく、徹底的に根絶を目指して行うのがポイントです。もし1匹でも残っていると、そこから再び爆発的に増える可能性があり、時間が経つほど駆除も困難になります(参照:KINCHO園芸)。
アブラムシは繁殖力が非常に高く、幼虫は10日ほどで成虫になり、さらにメスだけで増えることができます。ただし、繁殖には適切な環境条件(温度、湿度、エサとなる植物)が必要です。
外壁の隅々まで、見落としがないようにしっかりと駆除しましょう。
卵が残っていると翌年また増える
目に見えるアブラムシを駆除しても、外壁の隙間や近くの雑草に卵が残っていると、春に再び大量発生する可能性があります。
冬に気温が低くなると成虫が死滅しますが、卵は越冬するため、卵が残っていると暖かい時期にまた大量発生してしまいます(参照:KINCHO園芸)。
秋のうちに外壁周辺の雑草を刈り取り、冬の間に外壁を清掃しておくことが、翌年の予防につながります。
畑の野菜に影響がある薬剤は避ける
家の横に畑がある場合、殺虫剤の使用には注意が必要です。
強力な化学薬剤は風で飛散し、畑の野菜に付着する恐れがあります。
もし殺虫剤を使う場合は、天然成分や食品由来の成分を使った安全性の高いものを選ぶか、畑から十分に離れた場所で使用しましょう(参照:KINCHO園芸)。
アブラムシが家に寄ってこないようにする予防策
駆除だけでなく、そもそもアブラムシが家に寄ってこないようにする工夫も大切です。
銀色のアルミシートや反射テープで光を反射させる
光を苦手とするため直射日光を避けて葉の裏に隠れる生態があります。アルミシートやアルミホイルで株元を覆い、日光を乱反射させ葉の裏を明るくすることでアブラムシを忌避する効果が期待できます(参照:セイコーエコロジア)。
外壁の下部や玄関周辺にアルミホイルや銀色の反射テープを貼ることで、アブラムシが近寄りにくくなる可能性があります。
見た目が気になる場合は、目立たない場所だけに設置するのも良いでしょう。
アブラムシが嫌うハーブを玄関や窓辺に置く
アブラムシは、特定の植物の香りを嫌います。
セージやマリーゴールドなどはアブラムシが嫌う香りや成分が含まれています(参照:EPARKくらしのレスキュー)。
玄関先や窓辺にこれらのハーブを鉢植えで置くことで、アブラムシが寄り付きにくくなる効果が期待できます。
他にも、ミント、バジル、ローズマリーなどもアブラムシが嫌う植物として知られています。
黄色い容器に水を入れてアブラムシを誘導する(植物周辺では有効)
アブラムシは黄色を好んで群がる性質があります。そのため、黄色の防虫・粘着テープを植物の近くに配置することで捕獲でき、植物への被害を防げるでしょう(参照:コーナンTips)。
畑や庭の植物周辺では黄色いバケツに水を張る方法が有効ですが、外壁への飛来防止効果については限定的と考えられます。
畑の雑草をこまめに刈る
家の周辺や畑の雑草は、アブラムシの発生源になります。
雑草を放置すると、そこでアブラムシが繁殖し、風に乗って家の外壁に飛来します。
定期的に草刈りをすることで、アブラムシの発生源を減らし、家への飛来を防ぐことができます。
畑や庭がある家庭でできるアブラムシ対策
畑や庭を持っている方は、そもそも畑でのアブラムシ発生を抑えることが、家への飛来を防ぐ最も効果的な方法です。
畑と家の間に防虫ネットを設置する
畑で野菜を育てている場合、防虫ネットを設置することで、アブラムシの飛来を物理的に防ぐことができます。
エイジェイテックスの防虫ネットは0.25mmの目合いで体長1mm以下の小さな害虫からも確実に守ることができます(参照:ホームレスキュー)。
特に目の細かいネットを使えば、小さなアブラムシも侵入できません。
また、畑と家の間にネットを張ることで、畑から家へのアブラムシの移動を遮断する効果もあります。
テントウムシなど天敵を活用する
テントウムシはアブラムシの天敵としてよく知られています。
ナミテントウは1日あたり10〜30頭アブラムシを捕食する(参照:全国農村教育協会)。また、ヒメカメノコテントウは食欲が旺盛で1日に50匹以上のアブラムシを捕食してくれます(参照:おしえて!田舎センセイ!)。
種類や成長段階によって捕食数は異なりますが、多くのアブラムシを食べてくれる頼もしい存在です。
畑にテントウムシが住みやすい環境を作ることで、自然にアブラムシの数を減らすことができます。
テントウムシを引き寄せるには、畑の近くに雑草(カラスノエンドウなど)を少し残しておくと良いでしょう。
ただし、星の数が28個あるニジュウヤホシテントウは成幼虫とも葉上にいてナス、トマト、ジャガイモなどのナス科植物を加害します。そのため、テントウムシでありながら「テントウムシダマシ」という名前でも呼ばれています(参照:KINCHO園芸)。草食のテントウムシ(テントウムシダマシ)は逆に野菜を食べてしまうため、注意が必要です。
アブラムシが嫌う植物をコンパニオンプランツとして植える
コンパニオンプランツとは、異なる種類の植物を一緒に植えることで、害虫を遠ざけたり、お互いの成長を助けたりする栽培方法です。
アブラムシが嫌う植物として、以下のようなものがあります。
- マリーゴールド:強い香りでアブラムシを遠ざける
- ミント:爽やかな香りが多くの害虫を忌避
- バジル:アブラムシだけでなく、他の害虫も寄せ付けにくい
- ニンニク:強烈な香りで害虫を遠ざける
これらの植物を畑の周辺や野菜の間に植えることで、アブラムシの発生を抑え、家への飛来も減らすことができます(参照:GreenSnap)。
まとめ
家の外壁や玄関に緑のアブラムシが大量発生する原因は、畑や雑草から風に乗って飛来してくることが主な理由です。
特に花を植えていなくても、アブラムシは移動中に外壁や塀に一時的に付着します。風通しが悪く日当たりの悪い環境では付着しやすくなりますが、これは植物の栄養を求めて移動中の一時的な現象です。
駆除方法としては、ホースの水で洗い流す、粘着テープで取り除く、50℃前後のお湯(効果は条件に左右される)、市販の殺虫スプレーなどが効果的です。
ただし、条件が整えば少数からでも急増するため、徹底的に駆除することが大切です。
予防策としては、銀色のアルミシートや反射テープで光を反射させたり、アブラムシが嫌うハーブを玄関に置いたりする方法があります。黄色い容器に水を入れる方法は植物周辺では有効ですが、外壁への飛来防止効果は限定的です。
また、畑や庭がある家庭では、防虫ネットの設置、テントウムシなどの天敵活用(種類や成長段階によって捕食数は異なる)、コンパニオンプランツの導入などで、畑でのアブラムシ発生を抑えることが、家への飛来を防ぐ根本的な対策になります。
アブラムシは小さくても繁殖力が強い厄介な害虫です。今回ご紹介した方法を参考に、早めの駆除と予防で、快適な住環境を守りましょう!

