春になると空が黄色くかすんで見える日、ありますよね。
「あ、黄砂が来てる」と思ったとき、「黄砂って天気の一種なの?」「雨や雪のように天気記号はあるの?」と疑問に感じたことはありませんか?
実は黄砂の扱いは少し複雑です。この記事では、黄砂が気象現象としてどう分類されているのか、天気記号は存在するのかなど、初心者の方にも分かりやすく解説します。
黄砂は「天気」として分類されるの?
春先によく飛来する黄砂ですが、実は「黄砂」という天気分類は存在しません。気象庁の観測では、黄砂は「煙霧(えんむ)」や「ちり煙霧」として記録されています。
気象庁による天気の分類は、従来15種類に分けられていました(晴れ、曇り、雨、雪、霧、雷など)が、「黄砂」という独立した天気項目はありません。日本で黄砂が観測される場合、気象現象としては「黄砂」として別途記録されますが、天気の分類上は煙霧またはちり煙霧として扱われます。
煙霧とは、乾いた微粒子が大気中に浮遊して視程が10km未満になっている現象で、ちり煙霧は風で巻き上げられた塵や砂が風が収まった後も浮遊している状態(視程2km未満)を指します。
なお、2024年3月26日から、東京と大阪を除く全国の気象台で目視観測が廃止され、気象衛星ひまわりや視程計などによる自動観測に移行しました。現在は機械による自動判別が主体となっています。
(参照:気象庁「地上気象観測」、日本経済新聞「気象庁、目視の観測終了 快晴・薄曇は「晴れ」に」、Wikipedia「煙霧」)
黄砂の天気記号は存在する?
日本では、ラジオの気象通報などで使われる「日本式天気記号」が21種類あり、その中に煙霧とちり煙霧の記号があります。黄砂が観測された時もこれらの記号が使用されますが、「黄砂」専用の天気記号は存在しません。
なお、目視観測の自動化に伴い、2024年3月26日以降、東京・大阪以外の気象台では煙霧やちり煙霧の目視による記録頻度が変化しています。
国際気象通報式では、砂じんあらしに関連するコード(例:「06:空中広くちりまたは砂が浮遊」)が使われます。黄砂は「天気」そのものではなく「大気中に浮遊する微粒子の現象」として扱われるため、専用の天気記号は設定されていませんが、気象庁では「黄砂情報」として専用の予報が提供されています。
(参照:Yahoo!ニュース「3.26気象観測の歴史が変わる 目視観測自動化へ」、Wikipedia「黄砂」)
黄砂とはそもそもどんな気象現象?
改めて黄砂について詳しく見ていきましょう。
黄砂の発生と飛来の仕組み
黄砂は、タクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原などの乾燥地域で、強風により微細な粒子(直径4マイクロメートル程度)が数千メートルの高さまで巻き上げられ、偏西風に乗って数日かけて日本などに飛来する現象です。
日本での観測は春、特に3月から5月に多く、西日本で濃い黄砂が観測されやすく、東日本や北日本にも広く飛来します。年平均の観測日数は20日程度です。発生源の現地で起こる激しい砂嵐を「砂じんあらし」と呼び、その砂が遠方に飛来したものが「黄砂」です。
(参照:環境省「黄砂対策」)
黄砂の観測と情報提供の仕組み
黄砂はどのように観測され、私たちに情報提供されているのでしょうか?
黄砂の観測方法と情報の確認先
気象庁では、気象衛星「ひまわり9号」による高精度な画像解析、ライダー(レーザーレーダー)による地上観測、スカイラジオメーターや視程計などの地上測器、数値予測モデルを組み合わせて、黄砂を観測・予測しています。96時間先(4日先)までの予測が可能です。
黄砂の情報は、気象庁の黄砂情報ページや環境省の黄砂飛来情報でリアルタイムデータが確認でき、天気予報でも注意喚起されます。広範囲に濃い黄砂が観測・予測された場合は、気象庁が「黄砂に関する気象情報」を発表します。
(参照:気象庁「黄砂に関する基礎知識」、環境省「黄砂とその健康影響について」)
黄砂が飛来する日の生活への影響と対策
洗濯物や車への影響
黄砂が飛来している日に洗濯物を外に干すと、砂ぼこりが付着してザラザラになってしまいます。黄砂の予報が出ている日は、できるだけ室内干しにしましょう。
また、車のボディや窓ガラスにも黄砂が付着します。黄砂が付いたまま乾いた布で拭くと、細かい砂粒が塗装面を傷つける恐れがあります。洗車時は水でしっかり流してから、柔らかいスポンジで優しく洗いましょう。
健康面での注意点(呼吸器系・アレルギー)
黄砂は健康にも影響を及ぼすことがあります。
呼吸器への影響として、咳、くしゃみ、鼻水、喉の痛みなどが出やすく、喘息や気管支炎の方は症状が悪化する可能性があります。
また、黄砂には大気汚染物質(PM2.5など)や花粉が付着している場合があり、これらの複合的な影響でアレルギー体質の方は症状が強く出ることがあります。特に3月から4月はスギ花粉との相乗効果で要注意です。
黄砂のうち粒径の小さなもの(2.5マイクロメートル以下)はPM2.5に含まれるため、黄砂が飛来するとPM2.5濃度も上昇します。PM2.5は肺の奥深くまで入り込みやすく、健康被害のリスクが高まります。
目や皮膚への影響(かゆみ、充血、肌荒れ)、循環器系への影響も報告されています。
症状がひどい場合や長引く場合は、自己判断せず医療機関(内科、耳鼻咽喉科、眼科など)を受診してください。
(参照:環境省「黄砂とその健康影響について」)
黄砂の日にできる対策方法
黄砂の影響を減らすための対策をご紹介します。
外出時:マスク、メガネ、長袖や帽子で防護する
帰宅後:玄関前で服をはたき、手洗い・うがい・洗顔をする
室内:窓を閉め、空気清浄機を使い、洗濯物は室内干しにする
体調管理:高濃度飛来日は不要不急の外出や屋外での激しい運動を避ける
黄砂の飛来情報を毎日チェックして、事前に対策を取ることが大切です。
まとめ
黄砂は気象現象の一つですが、天気分類では「煙霧」や「ちり煙霧」として記録されます。
黄砂専用の天気記号はありませんが、煙霧やちり煙霧の記号で表現されます。なお、2024年3月26日から東京・大阪以外の気象台では目視観測が廃止され、自動観測に移行しています。
黄砂は中国やモンゴルの砂漠から偏西風に乗って日本に飛来する現象で、特に春(3月~5月)に多く観測されます。
気象庁では、気象衛星「ひまわり9号」、ライダー(レーザーレーダー)、スカイラジオメーター、数値モデルなどを使って黄砂を観測・予測しており、専用の情報サイトで黄砂情報が提供されています。
黄砂の日は、洗濯物や車への影響だけでなく、健康面でも注意が必要です。黄砂にはPM2.5などの大気汚染物質が付着していることがあり、呼吸器やアレルギー症状が悪化する可能性があります。症状がひどい場合は医療機関を受診してください。
黄砂情報を事前にチェックして、マスク着用や外出を控えるなどの適切な対策を取ることで、春先を快適に過ごせるようにしたいですね。
